2025年2月25日、企業の新規事業創出を支援するCOMMIT研究会の第9回を開催しました。今回のテーマは「新規事業人材をどう見出す〜社内育成か外部採用か〜」。michitekuを新規事業として小野薬品で立ち上げた三戸仁氏、トヨタ紡織で内部人材育成を手がける西尾未希氏、立教大学で企業の新規事業人材研究を行う田中聡氏を迎え、活発な議論が展開されました。

新規事業に求められる人材像
研究会では、まず新規事業を担う人材に必要な資質について議論が交わされました。三戸氏は新規事業の人材に必要な資質について、「行動力」「柔軟性」「ビジネスセンス」の3要素を挙げ、特に検証スピードの速さと顧客フィードバックを受け入れる柔軟性が不可欠だと強調。
「仮説検証のサイクルを高速に回せない人材では新規事業は成功しません。また、自分の考えに固執し、顧客の声を聞けない人は避けるべきです」と三戸氏。西尾氏も「プレゼン能力や数字の見せ方も重要。同じ内容でもプレゼンの仕方で評価が大きく変わります」と付け加えました。
社内育成vs外部採用の議論
本研究会の中心テーマである「社内育成か外部採用か」については、各社の事例を交えた議論が展開されました。
三戸氏は社内人材の強みとして「ドメイン知識の豊富さ」「社内ネットワーク」「提案の通し方の熟知」を挙げる一方、「新規事業に向いたマインドセットを持つ人材が少ない」という課題も指摘。この見極めのために同社ではビジネスコンテストを活用し、行動力や柔軟性を評価しているといいます。
また同氏は外部人材の活用事例として、小野薬品での取り組みを紹介。「キャリア採用」「M&A」「ベンチャー出向プログラム」など多様なアプローチで外部の知見を取り込んだ経験を披露。特にベンチャー出向プログラムでは、社員が1年間ベンチャー企業に出向し、新規事業の立ち上げを経験し、これまでに約20名が参加したとのことです。
「大企業の『同質性』には限界があります。異なる視点を持つ人材を混ぜ合わせることで、イノベーションが生まれやすくなります」と三戸氏は語りました。

経営層との合意形成の重要性
研究会の後半では、新規事業推進における経営層との関係構築についても貴重な知見が共有されました。参加者の多くが「経営層との目的共有」に課題を感じている中、田中氏は「新規事業の目的を正しく認識し、経営と握ることが何よりも重要」と指摘しました。
三戸氏からは「報告」ではなく「相談」形式でアプローチする具体的戦略も提案されました。「上司に対して迷っている部分を見せることで当事者意識が芽生え、協力を得やすくなります」と語り、参加者の共感を集めていました。
今後の展望
参加者からは「具体的な人材育成プログラムの設計方法」「人材育成におけるビジネスコンテストの有用性」など実践的な質問も寄せられ、活発な意見交換が行われました。今後の研究会では、これらのテーマについてさらに掘り下げていく予定です。
参加者の声
研究会後のアンケートでは、満足度の高さを示す回答が多数寄せられました。
「他社の方々の考え方や意見をお聞かせいただくことによって、改めて自分が考えている課題や疑問点を整理することができました。他社のケースや考え方を知ること、意見を交わすことが大きな学びになりました」(満足度9点)
「現場の生の声を情報交換できる、リアルな新規事業の進め方、課題等を学べた」(満足度9点)
「少人数でリアルな話を聞けたので良かった」(満足度10点)
「実際に現状取組みをされている責任者・企業中枢の方の生の声(WhySo?SoWhat?)の話を聞ける点が良かった」(満足度8点)
特に「オフラインならではのぶっちゃけ話が聞けた」という声もあり、リアルな場での情報交換の価値が高く評価されました。一部参加者からは「時間が足りなかった」といった声もあり、今後の運営改善につなげていく予定です。